夫が突然家を出て行き6ヶ月経ちましが、夫は家を出て行った後一度も生活費を支払ってくれません。私は、私と子供の生活費を夫からもらいたいのですが、どうしたらいいでしょうか?
-
婚姻費用に関するQ&A
1、結論
夫に対して婚姻費用分担金の請求をすることが考えられます。
2、解説
⑴ 婚姻費用分担金の金額について
ア、この婚姻費用分担金の額については、裁判所から標準算定方式による算定表が公表されています。この算定表は義務者と権利者の年収が分かれば直ちに金額が算出されますので、実務においてはこの算定表によって算出される場合がほとんどです。
なお、この算定表は令和元年12月に改訂されています。
算定表はこのようなものです。
イ、但し、この算定表がない類型の事案では、この算定表の基礎となる考え方に基づいて婚姻費用分担金の金額を計算する必要があります。
例えば、子が二人いて別々の親が一人ずつ子を監護する事案は算定表がありませんので、このような事案において婚姻費用分担金の金額を算定するには、婚姻費用算定表の基礎となる考え方に基づいて個別に計算する必要があります。
また、一方に算定表を大幅に上回る年収がある場合、子供の数が多い場合においても、個別に計算する必要があります。、
ウ、該当する婚姻費用算定表にご自身と相手方の年収額を当てはめるだけで、概ねの婚姻費用の金額が確認できます。
但し、婚姻費用算定表に年収額を当てはめる場合には、給与所得者と自営業者では内容が異なりますので、ご注意下さい。
⑵ 婚姻費用の請求方法
婚姻費用を請求するする方法としては、相手方に対して裁判外で請求する方法と調停・審判という裁判手続を利用して請求する方法があります。
⑶ いつの分から取得できるか
いつの分からの婚姻費用を取得できるかについては、裁判所は請求時以降とするものが多いです。
そして、請求時については、調停又は審判の申立時だけでなく、その前に事実上請求していれば、その事実上の請求時も含まれると考えられています。
但し、請求した事実の証拠を残す必要があるので、内容証明郵便によって請求した方がよいです。
⑷ まとめ
本件では、夫に対して婚姻費用分担金の請求をすることが考えられます。
そして、相手方に対して婚姻費用分担調停を申立たり、内容証明郵便による請求をすれば、相手方がその時点で婚姻費用を支払わなくても、調停申立時、又は、請求時点まで遡って、婚姻費用分担金を取得できます。
したがって、速やかに相手方に対して婚姻費用分担調停を申立たり、内容証明郵便による請求をする方がよいでしょう。
ご自身で対応するのが困難と思えば、弁護士に相談することをおすすめします。当事務所でも、婚姻費用・離婚に関する相談を受け付けていますので、まずは、当事務所にご相談下さい。